パリ旅行記－２００７

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００７年4月２２日～２７日　　

はじめに

昨年、フランスはパリにある会社とパートナー関係の交渉をしていたのですが、１０月に出張して話をまとめようとしたところ、とんだホテルのキャンセル騒動があって、まともな面談もできず、交渉は頓挫していました。（エクス・アン・プロヴァンス旅行記をご参照ください）
その後、この会社との関係の進展は諦めかけていたのですが、２月に入って、先方から３月のハノーヴァーの展示会で会わないかとの打診が入ってきました。この時期はちょうど出張が入っているので、４月にパリで会わないかと申し出ると、先方も了承して、今回のパリ出張のスケジュールが固まりました。
今回の旅行のポイントは、期首で予算の動向が読めないので、できるだけ安上がりに済ませること。
この目的に沿って、航空券はANAのオンラインチケットにしました。アーリーバード割引航空券です。スターアライアンスだとマイルがつくし、他の航空会社と比べて直行便では割安になります。また格安航空券と比べても、燃油サーチャージや空港税が上乗せにならない分、断然安いと言ってよいでしょう。
二都市間の往復で早くから旅程が決まっているなら、このオンラインチケット予約はお薦めです。
次にホテルですが、パリのホテルはどこも高い！Webサイトで引っかかってくるホテルはどこも間違いなく８０ユーロ以上はします。やっと見つけたサイトで、サンラザール駅脇、アムステルダム通りの『Hotel Britannia』３泊以上、連泊プロモーション・プライス、１泊６９ユーロというのを見つけました。正直なところ、★★のホテルに泊まるというのは初めてで、特にセキュリティ面で不安があったのですが、このホテル・ブリタニア、実際泊まってみると、いくつかの不備はあるものの、この価格としては至極快適なホテルでした。
そこで、準備万端、春の（現地での感覚は真夏だったのですが）パリへ出発です。

４月２２日（日）

いつもの、７時５分新宿発のNEXに乗るため、６時半前に家を出ます。家の前で、犬を散歩させているダイタラボッチに偶然、顔を合わせました。「おや、どちらまで？」と聞かれ「パリまで出張」と答えます。「そりゃ、気をつけて」とのはなむけの言葉を受けて下北沢に向かいます。世の中の大半の人が、それぞれの家々で平安な日常にあるにもかかわらず、一日にして数千キロの彼方まで飛んでいってしまうものもいる、というのは現代ならではの興味深い現象だと思いました。
毎度、満員の成田エキスプレスで空港第一ビルまで。
初めてのe-チケットのチェックインですが、係員がマシンの操作をすべてやってくれました。これでCDGまで雲上の空の人と相成るわけですが、フライトが１１：２５のため、まだ搭乗まで大分、時間があります。IAASラウンジに行って、ビールを飲みながら、今回の訪問で使うプレゼンテーション資料に手を入れました。ただ、このラウンジ、一般のクレジット･カード、（アメックス、VISA、MASTERなど）を持っていれば、誰でも使えるんですけどね。もちろんゴールド･カードでなくてもOK。
予定より遅れて、１１：２０より搭乗開始。機材はボーイング７４４です。

人でごった返す、空港第一ターミナル。早めに出国審査を
済ませるようにと言われたが、お言葉通り早めに行ったの
でそんなに時間はかからなかった。

NH２０５便。１１：２５発定刻通りの表示。しかし、機材の準
備が遅れたため、実際には１２：００のテイクオフ。多少の遅
れは仕方がないものなのですが、気になる。

今回乗る、ボーイング７４４。ジャンボ機に乗るのは久しぶ
り。しかし機内は思ったほど広くはなかった。エコノミーの
座席は３－４－３。

機は予定より３０分以上遅れて、成田を離陸。一路、フランスはパリへ。
オカブのシートは、非常用出口から２列目の通路側。なんとか最前列が取りたかったのですが、もう予約をした際には、塞がっていました。まだ通路側だからよいようなものの、前のシートの背を倒されると非常に窮屈です。よんどころない事情とはいえ、エコノミーならではの悲哀です。
さて、お楽しみの機内食。
アペリティフにアニスはないかと、アテンダントに聞いてみますが、「そんなものはない」と言います。
そこで、ウィスキーのロックをダブルで。
食事のメインはチキンのコルドンブルー。
たいへん美味しくいただきましたが、機内食はエールフランスのほうが旨いような気がしました

アペリティフのウィスキー。シャンパンもアニスもなかった。
仕方がないといってはなんだが、ウィスキーのロックにおち
つく。ダブルがいいか？と聞かれたのでもちろんOui！

メインはチキンの料理。フランス語で言う”プーレ”サラダ
はトマト、ローストポークの他に枝豆がついている。ワイン
はANAのオリジナルで銘柄はよく分からない。

２回目の機内食。ペンネ・アラビアータ。フルーツ・カクテル
にプリン、コーヒー、パン。海外旅行に行くと機内食が一番
旨いと印象に残るのはなぜだろう？

機は出発が遅れた分、到着も遅れて１７時過ぎにシャルル・ドゴール、第一ターミナル（フランス語ではアエロ・ドゥ・ギャール・アン）に辿り着きました。外はからりと晴れていて、これは良い天気でよかったね、と思いましたが、実はこれから滞在中、この晴天と暑さに参ることになるのです。
さて、CDGの第一ターミナルはちょうど円形の筒状をしているので知られていますが、中に入ってしまえば、どんな形をしているか分かりません。機を降りてパスポート・コントロールを受けると、登りの長い動く歩道に乗って、バゲージ・クレームへと移動します。程なく、スーツケースも無事出てきて、税関審査もなくゲートを出て到着ロビーへ。
さて、これからロワッシー・バスに乗ってパリ市内、オペラへ移動です。
バス乗り場は５２番出口付近で、すぐに見つかりました。
しかし、今日は道路が渋滞しているらしく肝腎のバスがなかなか来ません。結局４０分ほど待たされて、バスに乗ることができました。しかし、このバス、やっと来たものだから超満員で、荷物置き場がありません。一番後方まで、スーツケースを引きずっていき、やっと一人分の荷物と人間の居場所を確保できました。ところが後からまたスーツケースを引きずった日本人カップルが。荷物にはビジネスのタグがついています。ホントにもう、ビジネスに乗れる金があるんならこんな混んだバスに乗らないで、タクシーで行けよと思ったりしているうちにバスは発車。
最初は、快適に飛ばしていたのですが、高速の途中から渋滞につかまってしまいました。
ガイドブックには書いてありますが、ロワッシー・バスはエアコンが付いていないので、暑い季節は大変だとのこと。その暑い季節が、４月の下旬にして早くも到来してしまったのです。汗をだらだら流しながらバスに乗っていました。
結局１時間半弱かかってオペラ、スクリーブ通り到着。
さて、今日の日曜はフランス大統領選の第一回目投票日。右派、移民規制論者のサルコジ氏優位の情勢に暴動、ストライキの類が頻発していないか心配していたのですが、パリの街は、市民がカフェのテラスでワインを傾けて談笑しているなどいたって平穏でした。21世紀の現代ではフランス革命、パリ・コンミューンと暴れまくったパリ市民の血の気も大分引いてきたみたいです。
オペラからは、ホテルまでは勝手知ったる道。グランマガザンに出て、プランタンの角を曲がって、サン・ラザールに向かいます。アムステルダム通りは、サン・ラザール駅の向かって右横の通りです。
ホテルまで徒歩で１０分弱。至近の便利な立地です。

ホテル・ブリタニア。サンラザールの駅の脇の通りの
ごみごみした地域にあって、もちろん高級感はないが
別に治安に問題があるとは思わなかった。

ブリタニアのゲストルーム。広くはないが、スーツケース
を広げるスペースは十分にある。エア･コンがついていな
いので、夏はあまりお薦めできない。

ベッドとバスルーム、トイレ。ベッドは少々狭く、家庭の
敷布団の一枚分程度の大きさ。ただし、贅沢を言わず
寝るだけなら十分。

ホテルに着いて、チェック･インは至って簡単。「ボンソワール。予約したオカブだが」と申し出ると、回転式の鍵をポンと渡され、「５階です。リフトはあそこ。メルシー」とちょっと心配になってくるくらい簡単です。
部屋は５０３号室。ドアを開けると、細長い８畳間くらいのベッドルーム。壁際のベッドと簡単なライティング・デスク、天井から吊るされたテレビ、洋服ダンスと素っ気無い造りではありますが必要なものはそろっています。ただし、バス・タブ、エアコンなしで、デスクの上に小さな扇風機が置かれていました。あと、部屋のセーフが故障して使えませんでした。

<ホテル・ブリタニア>

スーツケースの内容物を取り出して整理して、シャワーを浴びて、さて飯でも食いに行くか、という気になりました。
しかし、今日は日曜日。まともなレストランは閉まっているだろうなと思いつつ、去年、食事をした『マドレーヌC』というレストランに行ってみましたが、南無三、案の定、今日は休業です。
そこで、サン・ラザール駅前まで戻り、界隈の一番賑わっている、『カフェ・マルコポーロ』というレストランに入りました。一度、周りを見回して注文すればよかったのですが、とにかくこのレストラン、料理の分量が物凄い。
前菜にメインの積もりで、サラダと子羊を頼んだのですが、サラダだけでも食べきれないボリュームです。
必死で料理と格闘して、それぞれ三分の一くらい胃に収めましたが、腹がはちきれそう。
現地時間で夜の９時を回り、日本時間では朝の４時まで一睡もしていないことになり、頭はくらくらしてくるは、ビールの酔いで、目はおぼつかなくなるは、腹が一杯で動くのもつらいはで、散々な目にあいました。
もっとも責任はこちらにあるのですが・・・・
しかも、メインの皿を下げてもらって、デザートのメニューを置いていくので、さすがにそれは勘弁してもらって、会計を済ませ、ホテルに戻ります。
あとはベッドに潜り込み、前後不覚で眠りに落ちました。

カフェ・マルコポーロのテラス席から、ホテル・コンコルド・
サンラザールを望む。こちらは★★★★のホテルで立地
もよくクラシックなヨーロピアンなので一度泊まってみたい。

カフェ・マルコポーロにて。レフ・ブロンド。一杯、４．５ユー
ロ。こう書いてしまうとあまり高くないように見えるが、日本
円に換算すると、約７３０円。結構なお値段。

田舎風サラダ。デカイ！！レタスの大葉がこれでもかと
盛られ、それに大粒の胡桃がこれでもかとぶっかけられ
玉子１個とトマト２個。これだけでお腹一杯。

コート・ダニョー。これまたデカイ！まるでスペア・リブかと
思わせる大きさの子羊あばら肉がどかんと３個。それに何
か分からん野菜が付け合せてある。そして極めつけの芋。

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